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秦野市・蓑毛・大日堂をご紹介します

写真右のように怖い閻魔像が十体も並ぶのが茶湯殿です。上の写真は冥府での審判に際して身ぐるみはいで裸にさせる役目をおう脱衣婆。
この蓑毛の地に何故と存在を疑いたくなるのが大日堂です。ヤビツ峠へ向かう県道沿い蓑毛の西の山際にそれは建っています。山門をくぐると現れる大日堂の伽藍はえっと声がついて出るほど不思議な大きさです。なんでこんな場所にこんなものが、というのが素直な印象でした。蓑毛の透明な空気は広い境内にはまだまだ先があることを予感させます。ほど良く朱があせた大日堂の裏手には石段が続き村の鎮守が屋根をのぞかせています。修験者の拠点とおぼしき不動明王を祀るほこらには昨夜火を止めたかもしれない護摩壇が。

そればかりか、まだ先には文字どおりの闇世界があるですが、いったん大日堂に戻ってみましょう。現在の大日堂の伽藍は江戸時代中期に建てられたものです。しかしご開帳時に中に入ると暗闇の正面に輝く五体の大きな如来像。余分な装飾は感じさせない率直な作りは堂々と空間を切り裂いています。平安時代に造立された一木造の仏像で、周辺の木材が使われているそうです。この五智如来像のほかにも大日堂内は魅力的ですが、実際にご覧になる日の感動を思うとこれ以上の口は慎みましょう。さて前述の闇世界は大日堂境内の一番奥に存在します。茶湯殿と記された扁額が掲げられた古びた寺院こそ、まぎれもなく闇世界、つまり冥府です。別名・地蔵堂というこの建物には地下世界を司る地蔵菩薩が祀られているのですけれど、その大きな地蔵様ばかりか、圧巻なのは地蔵様を囲むように座る十王像です。十王とは十人の閻魔様、室町時代の作で、近くで見ると表現をはばかれるほどリアルで等身大をしています。十人もの冥府の審判官がロウソクの炎に揺らぐさまは大人でも不気味です。かってはこうした仏教施設が点在したそうですが、明治期の廃仏毀釈の波に消えてしまったといいます。しかし蓑毛では全国的にも珍しい規模でここに残っています。この不思議こそ茶湯殿の隣に自ら即身仏となって入寂した江戸中期の大日堂復旧の巨人・光西上人のお力なのかもしれません。大日堂と同じく茶湯殿も毎年11月のご開帳時にはご覧になれます。


大日堂を管理しているのが道を隔てた南側にある臨済宗蓑毛山宝蓮寺(写真左)です。(以上文責・以織窯/野口以織)

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